ここのページで紹介している、mouse computer MDV ADVANCE GT 9500B2 をHackintoshにする夢をみました。1週間格闘した末、ようやくMac OS X Mountain Lion 10.8.2 が起動するようになったので、その方法を忘れないうちにまとめておきます。
PCのスペック
項目 | 内容 |
---|---|
CPU | Intel(R) Core(TM)2 Quad CPU Q6700 4core@2.66GHz |
Memory | 2.5GByte dual channel |
MB | XFX NFORCE 680I LT SLI INTEL SOCKET 775 DDR2 (NVIDIA C55) |
Graphic Card | G84 (GeForce8600GTS) |
HDD | 3.5 inch Sata 250GBytes HDD *2, 3.5 inch Sata 500GBytes HDD *1 |
発売年 | 2007 |
方法
参考としたサイトはtonymacx86.comの、UniBeast: Install OS X Mountain Lion on Any Supported Intel-based PCです。
はじめにUniBeastでbootable USBを作成します。上記のサイトの手順通りです。
その後、このbootable USBにAppleNForceATA.kextをインストールします。というのも、XFX NFORCE 680I LT SLIはAHCIモードに対応していない!という残念な仕様なため、nforceのsata HDDを認識させるためには、AppleNForceATA.kextが必要だからです。まあ、貰い物のPCなので贅沢は言えませんがね。AppleNForceATA.kextのダウンロードは以下のURLから可能です。
http://www.osx86.net/downloads.php?do=file&id=791
USBにインストールには、以下のコマンドを実行します。
$ cp -r AppleNForceATA.kext /Volumes/<usb stick>/System/Library/Extensions/AppleNForceATA.kext $ cd /Volumes/<usb stick>/System/Library/Extensions/ $ chmod -R 755 AppleNForceATA.kext $ chown -R root:wheel AppleNForceATA.kext $ ls -l
kextのインストールはこの一連のコマンドが基本と夢の中で言われました。kextはディレクトリなので、cpコマンドに-rを指定するのと、chmodとchownをしてrootにしておくのが重要ですね。最後にls -lでchmodとchownが正常に実行されたかを確認します。
次に、HackintoshとするPCにUSBを差し込んで、USBからブートするようBIOSを設定します。すると、Chimeraブートローダーが表示されるので、USBをブートします。正常に起動できれば、Mac OS Xのインストール画面が表示されます。うまくいかない場合は、-vオプションをChimeraのコマンドラインに指定して、様子を見ます。みーの場合は、特に何も指定することなく、Mac OS Xの起動画面にたどり着きました。Disk UtilityでHDDをあれこれフォーマットしてから、インストールします。
インストール完了後は再起動されるので、次はHDDをブートしたくなるのですが、まだAppleNForceATA.kextをHDDにインストールしていないので、これをインストールします。もう一度USBからブートして、インストール画面が表示されたら、ターミナルを起動して、以下のコマンドを実行します。
$ cd /Volumes/<usb stick>/System/Library/Extensions
$ cp -r AppleNForceATA.kext /Volumes/<Mac HDD>/System/Library/Extensions/AppleNForceATA.kext
$ cd /Volumes/<Mac HDD>/System/Library/Extensions
$ chmod -R 755 AppleNForceATA.kext
$ chown -R root:wheel AppleNForceATA.kext
$ ls -l
これでAppleNForceATA.kextをHDDにインストール完了です。再起動します。
HDDをブートします。初回のHDDブートなので、Chimeraに-f -vを指定して、キャッシュを無効にした状態で起動の様子をみるのが懸命とのことです。みーの場合は、HDDにAppleNForceATA.kextをインストールしなければいけないことに気づくのに時間がかかりました。AppleNForceATA.kextなしだと、OSがHDDを認識できないため、
USBMSC Identifier (non-unique): 00000000xxxx 0x???? 0x????
Still waiting for root device...(loop)
というエラーでハングアップしてしまうのです。
以上で無事Mac OS XがHDDから起動できました。この状態で、HDDにブートローダーをインストールします。MultiBeastを使う方法もあるのですが、思ったとおりに動作してくれないことが多かったので、みーは手動でブートローダーをインストールしました。以下のURLからChameleonをダウンロードし、デスクトップに展開します。
http://chameleon.osx86.hu/articles/chameleon-21-latest-version-download-links-updated
ブートローダーのインストール方法はこちらにまとめました。みーの場合は以下のようになりました。
atsuhiros-Mac-Pro:~ atsuhiro$ cd Desktop/Chameleon/usr/standalone/i386/
atsuhiros-Mac-Pro:i386 atsuhiro$ ls
boot boot0hfs boot1f32 boot1he cdboot
boot0 boot0md boot1h boot1hp modules
atsuhiros-Mac-Pro:i386 atsuhiro$ diskutil list
/dev/disk0
#: TYPE NAME SIZE IDENTIFIER
0: GUID_partition_scheme *250.1 GB disk0
1: EFI 209.7 MB disk0s1
/dev/disk1
#: TYPE NAME SIZE IDENTIFIER
0: GUID_partition_scheme *250.1 GB disk1
1: EFI 209.7 MB disk1s1
2: Apple_HFS Hackintosh HDD 249.7 GB disk1s2
/dev/disk2
#: TYPE NAME SIZE IDENTIFIER
0: GUID_partition_scheme *500.1 GB disk2
1: EFI 209.7 MB disk2s1
2: Apple_HFS TM HDD 499.8 GB disk2s2
atsuhiros-Mac-Pro:i386 atsuhiro$ sudo fdisk -f boot0 -u -y /dev/rdisk1
atsuhiros-Mac-Pro:i386 atsuhiro$ sudo dd if=boot1h of=/dev/rdisk1s2
2+0 records in
2+0 records out
1024 bytes transferred in 0.006840 secs (149708 bytes/sec)
atsuhiros-Mac-Pro:i386 atsuhiro$ sudo cp boot /
ここで、TimeMachineを有効にし、システムをバックアップしておくと、後で復元できるので便利です。
次にMultiBeastで残りの設定をします。みーはDSDTインストールを実行しました。これで、デスクトップにあるDSDT.amlを/Extraにコピーし、必要なkext (例えばfakesmc.kextとかnullcpupowermanagement.kextなど) を/S/L/Eにコピーしてくれるのですが、bootable USBの/Extraの内容を参考に修正します。とは言うものの、重要なのはAppleNForceATA.kextとfakesmc.kextだけだと思うので、後は適当にセットしました。
USBスティックをPCから外して、HDDからブートします。ここでも、-f -vオプションを指定して、カーネルキャッシュを作り直します。はじめは起動が遅いですが、何度か再起動を繰り返すと、システムが安定してきます。もし複数回の再起動でシステムがハングアップしてしまうようでは使い物にならないので、エラーを修正します。
/Applications/Utilities/Console.appを起動して、システムでエラーや警告が出ているかどうかを確認します。
以上で大まかに完成ですが、まだイーサネットが使えません。nForceATA.kextをインストールしてみましたが、接続がしばしば切断されるうえ、カーネルパニックが頻発するようになったので使用をやめました。いろいろ試行錯誤した上で、USB-WIFIアダプターを使用するのが一番安定することがわかりました。使用しているのは、GW-USEco300です。Mac対応と表記されたアダプターなので、これにしました。付属しているCDから、ドライバーをインストールして再起動し、PCI GW-USEco300 Utilityを起動して、ネットワーク設定をすれば良いだけです。特に問題なくインターネットに接続できました。
それにしても、貰い物PCがMacになったのは、本当に素晴らしい夢でした。tonymacのUnibeastやChameleon、それにAppleNForceATA.kextの開発者にはこの場をお借りしてお礼を申し上げます。
、、、と日本語で書いても彼らには通じないでしょうね。
2012.12.7