楽天モバイルが,Rakuten UN-LIMITに新規入会するとRakuten Miniという端末が1円で購入できるキャンペーンをしていたので,早速入会してみました.
昔は,携帯電話回線を契約するためにドコモショップなどに出向いて,2時間程度の事務手続きをする必要があり,大変疲れましたが,今はホームページで手続きできるので便利になりました.
本人確認書類をアップロードしたところ,翌日に不許可のメッセージが来ました.
本人確認ができませんでした.不備理由:ご提出いただきました本人確認書類は,コピーまたはスキャンされたものと見受けられます.
運転免許証をスキャンした画像ファイルをアップロードしたのが問題だったようで,カメラで斜めから撮影してアップロードしなおしたところ,無事に許可されました.
どうして本人確認書類のスキャン画像では不十分で,撮影画像でなければいけないのでしょうか.
特開2020-21459は,株式会社メルカリが申請した特許です.発明の概要には,以下のように記載されています.
本人確認をオンラインで行う場合、加工等が行われた不正な画像データが提出される可能性がある。このような不正を防止するためには、オンラインで提出された画像データが、使いまわした画像ではなくその場で撮影されたものであること(LIVE性)を担保できるようにする仕組みが必要になると考えられる。
お店で本人確認をする場合,お客さんが持参している本人確認書類を店員が目視確認しますが,この時に以下の事項を確認します.
- 本人確認書類の有効期限
- 本人が持参したものであるか
オンライン手続きでは,1番目を確認することは簡単ですが,2番目を確認することは難しいです.この確認をなるべく厳密に行うために,企業は工夫しているようです.楽天モバイルならば,スキャン画像は別人の物のコピーの可能性があるため,撮影された写真であることを重要視しているのだと推測できます.メルカリの本人確認はスマートフォンのカメラを駆使してその場で撮影されたものかを確認しているようです.
とはいうものの,オンラインで従来の本人確認を行うのは無理があるように思います.マイナンバーカードがこの役割を担えたらよかったのですが,ICカードリーダーを用いた本人確認書類として普及していないのが残念です.
なお,上述のメルカリの特許ですが,写真や動画に時間情報や位置情報を埋め込む技術はExif情報など公知の方法があり,その場で撮影されたかどうかをExif情報で確認する方法には進歩性がないように思い,特許にはならないのではないかと予想しました.やはり2020/03/09に拒絶査定となったようです.