みーのぺーじ

みーが趣味でやっているPCやソフトウェアについて.Python, Javascript, Processing, Unityなど.

TeraStationを直す

テラステーションとは,Buffaloが発売するNASであり,データの共有を目的としたストレージである.みーもとある団体でお世話になっているのだが,先日突然エラーを吐いて永遠の眠りについてしまったので,復活させるべく奮闘した内容をここにまとめておく.みーと同じように,TeraStationがエラーしてデータが消えそうだし,仕事は進まないしというふんだり蹴ったりな人の助けになれば幸いである.

環境

TeraStation: TS-WXL/R1 シリーズ

問題点

気づいたら以下のエラーが表示され,エラーランプが点滅していた.

  • RAID Error E13 ARRAY1 Error
  • OperationMode I12 DEGRADE MODE

どうやらRAID0を組んでいたHDD2台のうちHDD1が故障し,HDD2のみで動作しているが,HDD2も危険な状態らしい.仕方なくHDD1を新しいものに交換したものの,今度はHDD2がエラーしてしまい,どうしよう,というような状況だった.

解決策

データのレスキュー

とりあえずまた希望があるHDD2をUbuntuに接続し,データの取り出しを試みた.やり方はこちらに示した.

UbuntuのDiskによるとTeraStationのHDDは以下のような6つのパーティションに仕切られていて,ファームウェアなど重要なファイルもこれらのパーティションに保存されているらしい.

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これをPCに接続し,別の安全なHDDにコピーした.ひとまず安心.

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TeraStationのHDD総取り換え

次にTeraStationに付属していたHDDと同じようなHDDを2台新規購入し,全部のHDDと総取り換えした.その状態で電源を入れると,以下のようにNo Init File At HDD 1 と表示されながらも,EMモードで起動した.EMモードとは復旧モードのことらしく,これでファームウェアが記録されていない新品のHDDからも起動できるようにできるはずである.

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ということでテラステーションのファームウエア アップデータをここからダウンロードした.

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ちなみにNAS Navigator2で情報を取得すると,スタンバイモードと表示された.

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ダウンロードしたファイルを展開すると,こんな説明画面が表示された.

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展開した先のディレクトリはこのようになっており,TSUpdater.exeやu-boot.img, uImage.imgなどの有用なファイルが格納されている.

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TSUpdater.exeを実行した.TeraStationが検索されるので,予め同じネットワーク上に接続しておきなさいと注意が出るが,普通同じネットワーク上にあるよね.

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ここでポイント.TSUpdater.exeを実行する前に,TSUpdater.iniのファイルを開いて,NoFormatting = 1 を 0に変更しておく.こうすると新しいHDDの場合フォーマットをしてくれるので使用できるようになる.

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ちなみに1だとアップデートが中止された.

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0にすることでフォーマットの許可が出た.

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ファームウェアの転送中.しばらく時間がかかるので待つ.

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みーがやった時,以下のように完了を待っていますが永遠と表示されたので,仕方なく,TeraStationのHDDのアクセスランプがずっと消えているのを確認したうえで,電源を落とした.

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するとファームウェアアップデートが実行された.

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数回再起動があり,正常に運用を開始することができた.あとは設定画面をブラウザから開いて以前の設定に戻して,レスキューしたデータをネットワーク越しに元の場所にコピーしなおせば完了です.

ネット上にはRAIDのリビルドがうにゃうにゃと難しい記事がたくさんあるが,HDDのデータをレスキューして,まっさらにしてから改めてデータをコピーして元に戻すのが一番簡単な気がします.

ちなみに壊れたHDDのSMART情報を確認したところ,バッドセクタの数が異常なのと,運転時間が2年6ヶ月だったので単純にNASの連続運転による経年劣化ということで納得しました.